うつ病とは一体どんな病気?
誰でも憂鬱な気持ちになることや、何をするにも気力が湧いてこない日はあります。通常こうした気分の落ち込みは、好きなことに没頭したり、睡眠や気分転換で解消できることが多いですが、うつ病はこの落ち込み状態が2週間以上続き、何をしても気持ちがすっきりすることがありません。体は全身重たく感じ、眠りにくい、あるいは眠れないといった身体的症状も現れてきます。引き金となる理由は様々で、多くは親しい人との離別や失恋、生活上のストレスが蓄積されることで発症します。症状自体は昔から確認されていましたが、特に仕事や人間関係に追われる現代人には身近な病となっています。
うつ病は大きく「大うつ病性障害」と「双極性障害」に分類されます。大うつ病性障害は常に抑うつ状態が続き、物事に対する興味関心の低下や食欲減退、不眠といった身体的な症状が強く出ることが多いです。一方の双極性障害はかつては躁うつ病と呼ばれ、非常に活力のある躁状態になったかと思えば、全く真逆の抑うつ状態になるという、気分の波が激しい症状です。
うつ病は放置していれば治る?
うつ病は放置していても治りません。風邪のように栄養をとって寝ていれば治るというものではなく、気の持ちようだけでは決して治りません。放置すると症状はどんどん悪化し、いざ本格的に治療をしないといけない状態になっても、治療効率はなかなか上がりません。病状が進行すると、日常生活のあらゆることに興味関心を失い、判断力も低下していきます。何を食べたいのか、何を食べればよいのかわからず食欲もわかないため体重は減少し、掃除や洗濯をするのも気力が出ず家は散らかり、仕事をしようにも判断力の低下からミスを繰り返し、周囲に指摘されることでさらに気分が落ち込んでいくという負のスパイラルに陥ります。うつ病の最も効果的な治療は、なにより早期発見早期治療です。
うつ病はどうしたら治る?
うつ病の治療の基本は、まずはゆっくりと休むことです。心身共に疲れ切っている状態ですので、なるべくストレスを避け、家で十分に睡眠をとり好きなことをすることが大切です。休むことは悪いことだ、怠けている自分が許せない、などと罪悪感を持つ必要はなく、自分自身のためにしっかりと休むことが必要です。また、医師から処方される抗うつ薬で体と心をうまく整え、不眠などの改善を行うことで生活サイクルをもとに戻し、場合によってはカウンセリングや精神療法で自分の考え方や価値観を矯正していくことも大切です。
光トポグラフィーは前頭葉の血流量の変化を調べて数値でうつ病を診断できます。そのため客観的にうつ病を診断でき、周囲からの理解も得やすいです。